僕が学生の頃―というのは1990年代のことなんだけど―バンドを始めたこともあって、暇さえあれば音楽を聞いていました。友達からCDを借りたり、中古CDを買い漁ったり(「ジャケ買い」もしたなぁ・・・)・・・その中には当然好みに合う音楽があり、好みに合わない音楽もありました。
当時は僕の周りでは、ビートルズやローリングストーンズ、レッドツェッペリンなどを聞いていないと音楽は語れない的な雰囲気が漂っていて、ピコピコした打ち込み音楽が好きだった僕にはなかなかなじみがたい空気があったのです。
つまり70年代のロックこそが本物のロックであり、本物の音楽なんだ、こんにちの音楽は70年代の基礎の上に作られているのだ的思想。
純朴だった僕は「ふーん、そうなのか」と思い、70年代の曲も聞くことにしたんだけど、その時ひしひしと感じたのは「コード進行はかっこいいんだけど、曲調も音もすごく古いなぁ」ということでした。
20年前の音楽だから古く感じるのは当然だろうと思ったけど、それにしても古すぎる、と。「ものすごく前の音楽」って感じでした。
そのとき思ったのは、じゃあ20年後の音楽はどうなんだろうと。20年後に90年代の曲を聴いたら、今70年代の曲を聴いて感じた「すごく古い」感じがするのだろうか?と。当時の僕には20年後に今聞いている90年代の曲たちが「すごく古く感じられる」ことが想像できなかった。
そして20年がたった-2010年代-いま90年代の曲を聴いても(若干の古さは感じるかもしれないが)「すごく古い」とは感じない。少なくても、90年代に70年代の曲を聴いて感じた「古さ」は感じません。
今思えば、古さの理由はおもに録音関係によるものだったと思うのですが、70年代は僕自身が幼少期だったので心理的にも遠い気がして、そこらへんも古さを感じる源泉の一つかな、という気がしています。
ということで70年代から90年代にかけてのテクノロジーの進歩は目覚ましいものがあったんだなあとしみじみ思います。そしてその恩恵は今や個人のパソコンで作曲、マスタリングまでできてしまう、というところまで来ています。
僕が学生の頃は「パソコンで曲を作る」なんて、どこか遠くで行われている、大きなスタジオの中での超一流のミュージシャンたちの所業・・・というイメージでしたからね。
なんて考えていたら作曲したくなりました。
失いかけていた作曲意欲が復活するのも、ブログの効用なのだ。