僕が学生の頃、リセット・メレンデスの「Goody Goody」という曲がラジオからよく流れていた。
家でラジオを聴いていても「グリグリ♪グリグリ~」、車に乗っていてもカーラジオから「グリグリ♪グリグリ~」と流れてくるものだから、さすがに温厚な(?)僕も、嫌悪感すら抱くようになってきた。
で、当時の僕は思った。「こんな売れ線の主義主張もない、吹けば飛ぶような軽い曲は、来年には誰も覚えていないだろう」と。
あれから25年。誰もリセット・メレンデスを覚えていなくても、僕はリセット・メレンデスをしっかり覚えていて、「Goody Goody」もちゃんと覚えている。メロディーだって口ずさめる。
マンガ「ワンピース」でDr.ヒルルクは「人はいつ死ぬと思う?(中略)人に忘れられた時さ!」(第145話)といっていたが、これは曲にも当てはまるような気がする。
曲は人に忘れられた時に死ぬ。
もしそうであれば、僕があれだけ小馬鹿にしていたリセット・メレンデスの「Goody Goody」は僕の中で生き続けているということになる。
なんと皮肉なことか。
さらに言えば「Goody Goody」を聞くと、お金はなかったけど、時間と自由とそして何より両手から溢れ出んばかりの将来への可能性(人はそれを「夢」と呼ぶ)があった、幸せな時代のことを思い出す。
ここまでくると「Goody Goody」は幸せな時代の象徴みたいなものになってしまっている。
というわけで今の僕はリセット・メレンデスの「Goody Goody」を聞くと幸せな気持ちになれる。
25年前の僕に「「Goody Goody」は幸せの象徴として永遠に君の心に残り続けるよ」といっても、信じないだろうなぁ。。。