僕は趣味で作詞作曲しているのですが、作曲については独学とはいえ、理論の本を買ったり編曲の本を買ったりサンレコを買ったりと、何かと(結果的に)勉強らしいことをしていたのですが、作詞については、まったく何のノウハウもなく、参考になるような本も買っておらず、これは独りよがりもいいところだ、ということに気づきました(気づくのに20年以上かかりましたが・・・)。
そこで、何か作詞の指針的な本がないかな、と探しまして「思いどおりに作詞ができる本(田口 俊 著)」を購入したので、レビューいたします。
外観
お世辞にもスタイリッシュな装丁とはいえません。昭和な雰囲気さえ漂います。が、僕はそこに魅かれました。
数ある作詞本の中でこの本を選んだ理由は「勝負は装丁じゃなくて中身だぜ」という主張を(僕が勝手に)感じたからです。
内容
第一章 作詞の基礎
第二章~第四章 作詞のQ&A
第五章 既存曲の歌詞の解説
第一章は作詞の技術的な面を、精神論ではなく理詰めで解説しています。
Aメロ、Bメロ、サビの書き方はそれぞれこういう理由でこのように書くのです、という感じで、作詞初心者にもわかりやすく書いてあると思います。
最初が「自分の気持ちを書いてはいけない」という項目で、僕はこの本を読むまでは「自分の主張を落とし込む」という考えで作詞していたので、いきなり自分のやり方が否定されたようでムムッと思いましたが、読み進めていくうちに納得しました。
Aメロ、Bメロ、サビという曲を想定した作詞の解説なので、欲を言えば「Cメロ、Dメロがある場合の歌詞の書き方」とか「Aメロ→サビの場合の歌詞の書き方」みたいな項目があるとよかったと思いました。
第二章~第四章は、読者からの質問に筆者(田口さん)が答えるという体のQ&Aです。「作詞の基礎」を知った上でのQ&Aということで(本文にもありますが)第一章を読んだ後に読むといいようです。
「情景描写の上手な方法を教えてください」とか、歌詞を書く上で実践的なトピックのQ&A集です。
第五章は斉藤和義、ユーミンなどの曲の歌詞の解説です。この章は上級者用なのかな?田口さんが一度はこういう詩を書いてみたいという、イーグルスの「Hotel California」の解説が面白かったです。
最後に
プロの方の作詞の基礎的方法論みたいなのが知りたかったので、第一章がすごくためになりました。個人的にはここだけでも買ってよかったかなという感じです。
知りたいことが書いてあったので、読んで満足、で終わってしまいそうですw
本のオビに「どこから何を書けばいい?に明快な答えをくれる作詞本!」とありますが、全くその通りの本でした。