僕は新潟生まれ新潟育ち悪い奴らはだいたい新潟だったので、高校までの友人はほぼ100%新潟人でした。
ところが、大学に入学すると、他県の友人と知り合う機会が増えました。
普通に会話している分にはどこの県の出身かなんて考えないのですが。
ある日ある時ある会話で、
「今日の英語、先生にかけられたよ。予習してこなかったのに」と僕が言ったところ、群馬出身の友人は、「は?お前なにいってんの?」状態でした。
僕としてはこっちが「は?」状態です。お前日本語分からんのかい!と。
よくよく聞いてみると、「かける」は方言で、「指名する、当てる」が標準語だ、ということが判明したのです。
つまり僕が先生に「かけられた」と言ったのは「先生に指名された、当てられた」という意味なのですが、友人は僕が先生に水か何かをかけられたと思った、ということだったのでした。
この友人とのやりとりは相当衝撃でした。何がショックかって、「かける」が方言で他県では通じないという事実。新潟では猛威を振るっていたのに全国では全く通用しないというまさに井の中の蛙のような無力感を感じました。とほほ。
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山形出身の先輩は新潟の下宿先で「なじらね」と近所のばーちゃんに声をかけられて、「何時だね?」と聞かれたと思い、時計を見て「いま午後2時です」と答えたそうです。
「なじらね」というのはHow are you?のことです。「ヘイ、ニーチャン、調子はどうだい?」って感じ。いきなり今の時刻を答えられて、ばーちゃんもびっくりしたでしょうね。