ヒエロぐり

DTMer hieroglyph が綴る作曲記

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物語を作ろう【歌詞訓練】

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歌詞を書く訓練として、「まずは短い物語を作ってみよう」という答えがちょっと前にレビューした「音楽制作の秘密100」に書いてあったのですが、 

www.hieroglyph.work

 

僕も昔は似たようなことをしていた時期がありました。

 

2318分という曲があるのですが(これ↓)

 

何の情報もなくこの曲を聴いても「なぜ2318分というタイトルなのか」が分からないと思い、タイトルが2318分になったいきさつを短い物語として書きました。

 

ニコニコに投稿した時は字数制限があり、泣く泣くショートバージョンにして載せたのですが、せっかくなのでロングバージョンというかオリジナルをここに載せようと思います。

 

 

23時18分

「今日、ご飯食べに行かない?」
彼女が誘ってきた。

片想いの3年間、何回か食事をしたことはあったけど
僕からの誘いの方が多かった。
彼女から誘うとは、多分何かがあるに違いない。
そう思っても不思議ではなかった。

ひょっとして彼氏と別れたのかもしれない。
最近彼と上手くいってないと相談も受けていたし、
無い話ではない。
もし彼との別れ話だったら、僕の気持ちを伝えよう、
そんなことを考えていた。

「結婚することになったの」
彼女の口から出た言葉は、僕の全く予期していないものだった。

一瞬動揺した。目の前が真っ暗になった。

でもそれを彼女に悟られてはいけない。
「おめでとう」
そういって、結婚の経緯を聞いた。

彼のことをはにかみながら話す彼女は、
今までに僕が見たことのない顔だった。

こんな表情をするんだ・・・
「彼」に嫉妬した。

彼女の帰りを見送ったあと、一人車に乗った。

僕は、二度と戻ることの出来ない
領域に来てしまったことを実感した。
もう悩んでも、後悔しても、取り返しがつかない。

全てが終わった。

彼女と出逢った頃を思い返した。
フラッシュバックするのは、いつも笑っている彼女の顔。

時の流れは残酷だ。
しかしその残酷な時の流れの中を、
僕達はもがいて、あがいて泳いでいる。

時計を見た。
23時18分。
僕はこの時間を永遠に忘れない、と思った。

 

・・・

 

お読みいただきありがとうございました。結構長いですね。

 

昔はこういった曲のバックグラウンドとなる物語を考えるのが楽しかった時期があり、もう2,3曲こういった物語があったはずですが、なんせ15年以上前の話でその時のデータが行方不明・・・しかしこういった物語を書くことで少しは訓練になったのでしょうか。

 

ちなみにこの物語の主人公は・・・おっと、誰かが来たようだ。。。