「ipadいるかなぁ?」
と妻が僕に聞いてきた。
一瞬、耳を疑った。
ipadといえば、特に何に使うかわからないけれど、なんとなく持っているとかっこいいアイテムナンバーワンのデバイスである。
DTM用途でも使えそうで、以前それとなく妻に家のお金でipadを買ってもらえないかと聞いてみたところ、全く箸にも棒にも掛からない、暖簾に腕押し、豚に真珠・・・は違うか、とにかく「そんなものは我が家に必要なし」的な感じで取り合ってもらえなかった。
そんな妻の口からipadである。
なにやら息子の学校でipadが一人一台配布されて授業で使うそうで、ipadお持ち帰りは禁止のため、家で購入しアプリ等で勉強させたい、とのこと。
これは千載一遇のチャンスである。ここはなんとしても購入に持ち込まなければならない。
スーパーコンピューター富岳にも匹敵するという我が頭脳が、光の速さで計算、そして出たのは
「必要ないんじゃない?」
という言葉だった。
これは一世一代の賭けである。ここで「いるいるぅ~」と言ってしまうと、妻に「え、やっぱりいらないかな」と引かれてしまうかもしれない。
恋の駆け引きではないが、ここは一度僕の方から引いてみる、という計算結果が富岳から引き出されたのである。
妻の反応は「でも慣れされるためにもあってもいいよねぇ」というものだった。
さすが富岳、賭けは見事に成功し、翌日ipadを購入しに近くの電気屋に行くことになった。
もうルンルン気分の僕。しかし物事はそう簡単には進まない。
喜び勇んで「ipadくーだーさい」と店員に申し付けたところ、なんとipadは現在注文が殺到していて、入荷は早くても一カ月半後とのこと。
おいいいいいいいいいい、一カ月半も待てば妻のipad熱は冷めてしまうじゃろがぁぁぁぁぁぁ!!と心で叫ぶ僕。
「でも、」
と店員は続けた。
店員曰く、最新のipadは入荷待ちだが、1世代前のipad airなら若干値引いてすぐにご用意できる、とのこと。
僕たちが購入予定だったのは最新のipad(32G)で約38,000円、ipad airは1世代前だけど64Gで約46,000円とのこと。
結局この話は持ち帰りとなり、我が家にてipad についての話し合いという名目の妻のご機嫌取りが行われた。
僕が一番恐れていたのは「じゃあipad 買うのはやめよう」という妻のお言葉だったのだが、妻はもうipad は購入する、入手時期が今か一カ月半後か、で迷っているらしく、そのことを知った僕は安堵し、妻のいいように話を合わせることにした。
結局1世代前のipad airを購入することに決め、翌日無事我が家にipad airが鎮座することとなった。
早速息子に(無料の)プログラミングゲームをやらせたりして、有効に(?)活用しています。
僕の方はというと・・・ガレージバンドとかiMovieとか面白そうなアプリは多々あるのですが、手に入れた安心感からか、とりあえず愛でて楽しむという贅沢をしております。
ほくほく。